朝日新聞

立川市課長ら入札妨害容疑　市役所捜索
　水道工事発注をめぐり、立川市の契約課長と、市嘱託職員の前砂川支所長らが９日、偽計入札妨害などの疑いで警視庁に逮捕された事件で、市役所では朝から共同捜査本部の家宅捜索があった。同市は入札制度改革に取り組み始めたばかり。昨年の容疑にからむ事件とはいえ、改革のイメージダウンを心配する声もあった。

　同市は９６年７月から「制限付き一般競争入札」と「参加希望型指名競争入札」の導入を始め、入札制度等検討委員会で、談合が起きやすい密室型入札を排除する方向で検討を進めてきた。

　開会中の９月定例市議会でも、市内の業者の受注機会を増やし、公正な競争を促すために、市内の業者で市が定めた条件を満たせば入札に参加できる「参加希望型」を、１千万円以上の工事に拡大するなどの改革案を報告。総務委員会の了承を経て今月１日にスタートさせたばかりだった。

　契約課はこの改革の中心になる部署。「昨年の事件とはいえ、改革のイメージダウンは必至」と市幹部らは表情を曇らせた。捜査で今年度の水道関係の設計図など多数の文書が押収され、「業務に大きな支障が出る」と心配する声も出た。

　契約課長の大野木隆容疑者（５５）は市教委体育課長などを経て０１年４月から現職。岡部昭凱容疑者（６０）は９８年４月に市砂川支所長となり、今年３月で定年退職。現在は市の嘱託職員として幸町福祉館長を務めている。２人は７５年前後、同じ部内で働いていた。
（10/10）

東京新聞

　　　　　　立川市課長ら逮捕

競売入札妨害容疑

　東京都立川市発注の配水管工事をめぐり、業者側が示した業者グループを入札参加業者に選ぶなどしたとして、警視庁捜査二課と立川署などは九日、競売入札妨害（偽計入札妨害）の疑いで、同市契約課長、大野木隆（５５）＝昭島市福島町三＝ら市側の二人と、業者側の二人を逮捕した。

　ほかの逮捕者は、元同市市民部砂川支所長で同市嘱託職員の岡部昭凱（６０）＝福生市武蔵野台一、水道管工事会社「皆木設備」社長、皆木正男（５３）＝立川市柴崎町五、同「白井プラミング」社長白井信夫（４５）＝同市曙町三＝の各容疑者。

　また、入札の際に白井容疑者らと談合したとして、談合の疑いで、配管工事会社役員、山田修三容疑者（５０）＝同市幸町三＝を逮捕した。

　大野木、岡部両容疑者は容疑を認めているが、業者側の三人はいずれも否認しているという。

読売新聞

立川入札妨害　市が３業者指名停止

再発防止調査委を設置
　立川市の水道工事を巡り、市契約課長や業者ら五人が逮捕された偽計入札妨害事件で、同市は十日までに、逮捕者を出した管工事会社「皆木設備（立川市柴崎町）、同「白井プラミング」（同市高松町）、同「油谷設備工業」（同市柏町）の三業者を無期限の指名停止処分とした。

　談合に加わった九業者は書類送検されれば、期間を決めた指名停止処分とする。

　また、同市は同日、庁内に事件再発防止調査委員会を設置した。同市の豊田和雄助役を委員長に、部課長級職員計七人で構成、今後、弁護士や自治会関係者らの外部委員も迎える。十六日にも初会合を開き、担当課職員や入札参加業者から事情を聞き、原因を究明、再発防止策を協議する。

　一方、同市は逮捕から一夜明けたこの日、庁内で対応を協議、午前十時から開かれた議会運営委員会で、青木久市長が「大変不名誉な事件が起こってしまった」などと陳謝した後、豊田助役が事件について報告した。十四日に最終日を迎える市議会定例会でも、市側が調査委員会の設置や事件の状況について説明、青木市長が改めて今回の事件に見解を示す。また、市広報十五日号にも青木市長のコメントを掲載し、市民に謝罪する。

［毎日新聞１０月１０日］ ( 2003-10-10-03:05 )

【1】水道管入札：
東京・立川市課長を逮捕　業者不正指名　
2003.10.10
　東京都立川市が昨年１２月に発注した水道管新設工事の入札で、業者の要求に応じて指名業者を選定したとして、警視庁捜査２課は９日、市契約課長、大野木隆（５５）＝昭島市福島町３＝と市の元砂川支所長、岡部昭凱（あきよし）（６０）＝福生市武蔵野台１＝の両容疑者と、受注業者の水道設備会社社長２人の計４人を偽計入札妨害容疑で逮捕し、市役所などを家宅捜索した。

　他に逮捕されたのは▽立川市柴崎町５、「皆木設備」社長、皆木正男（５３）▽同市曙町３、「白井プラミング」社長、白井信夫（４５）の両容疑者。大野木、岡部両容疑者は容疑を認め、業者２人は否認しているという。

　さらに同課は、この入札で談合に加わったとして同市幸町２、「油谷設備工業」役員、山田修三容疑者（５０）を談合容疑で逮捕した。山田容疑者は容疑を否認しているが、同課は既に談合容疑を認めている別の工事入札参加業者を書類送検する。

　調べでは、皆木、白井両容疑者は事前に、自らが受注できるように業者間で調整。昨年１１月上旬ごろ、市が発注した二つの水道管新設工事の指名競争入札に、調整に同意した業者を指名業者として選定するよう岡部容疑者を通じて大野木容疑者に依頼した。大野木容疑者は依頼通りに指名選定した疑い。入札は１２月１８日に行われ、皆木設備が１７３０万円、白井プラミングが１３９５万円といずれも予定価格の約９８％で落札した。

　青木久・立川市長は「行政に対する信頼回復に全力を注いでいく」とのコメントを出した。【立山清也、三木陽介】

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